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ここではアブサラクリコの手作り毛糸が出来るまでを「特徴」「原料」「製法」の3点から紹介します。また、アブサラクリコからの新しい糸の提案「引き揃え」についても記載しています。
特徴
アブサラクリコの糸は大きく分けて2種類あります。
まず一つは手染め、手紡ぎをしているウール100%の糸です。
これをアブサラクリコでは「つむぎ」と呼んでいます。
◆「つむぎ」とは?◆
手紡ぎの糸は空気を含み甘撚り※1なので市販の手芸用糸と比べてとても軽く仕上がります。
もちろんすべてハンドメイドですから何を編んでもオンリーワンの作品が作れるのです。
※1 : 甘撚り(あまより)…撚りの回数が少ない糸のこと。撚りが少ないので繊維を長く紡ぐ事が出来、
同じ100gの原毛から長い糸が作れる。
二つ目は「シルク糸」です。こちらは機械撚糸※2ですが、アブサラクリコオリジナルの配合で
シルクにウールやカシミヤ※3、モヘア※4、夏は麻や綿を撚り合わせて糸を作ります。
シルクにウールやモヘアを撚り合せるとシルクの光沢はそのままにボリュームが出て、
空気を含み、暖かくふんわりとした感触になります。
カシミヤを入れると柔らかいだけでなく、しっとりした感触になります。
麻や綿を入れるとシルクの光沢がより出て肌触りが良いのはもちろんですが、
しゃきっとした張りのある感触になります。
◆シルク糸の組み合わせ◆
撚糸の回数や方法で軽い糸になるよう心がけています。
もちろんアブサラクリコのオリジナルですから手芸屋さんや他の通販では決して手に入りません。
※2 : 撚糸(ねんし)…糸を撚り合せること。撚りをかけること。
※3 : カシミヤ …カシミヤヤギから採れる毛。繊維が細く、柔らかで軽い。
※4 : モヘア …アンゴラヤギから採れる毛。光沢に優れ、絹のような輝きがある。
原料
「つむぎ」の原料となるウールは原毛をオーストラリアやスペイン、イギリスなどから
羊の種類を選んで輸入をしています。
羊を選ぶ基準で、一番大切なのは毛足の長さです。
羊の毛は人間と同じでカールしているものから天然パーマもいますし、ストレートヘアーの種類もいます。
その中で、アブサラクリコではストレートに近い毛のものを使用しています。
◆「つむぎ」の原料となる条件◆
また、毛色は白だけでなく焦げ茶からグレーやベージュと、染めたときの色を考えて選んでいます。
グレーの羊毛を赤やブルーに染めることもあります。
糸を染めるのに使用しているのは、発色の鮮やかなドイツ製の化学染料です。
化学染料ではありますが、染め終わった後の排水が無色透明なほど品質が高く、エコロジーなものを
使用しています。
シルクは厳選した絹糸を選び生糸※5で使うものと真綿※6があります。
そこに合わせるモヘアはキッドモヘア※7を使っています。
シルクを選ぶ時の基準は、正直に言って安くないものを選びます。
黄ばんでいない和装に使ってもいいような高級なものです。
絹糸はウールほど手を加えようがないシンプルそのままなので品質を一番に考えています。
※5 : 生糸(きいと)…繭から抽出した糸を数本揃えて繰り糸の状態にしたもの。
※6 : 真綿(まわた)…繭を綿にして紡いだ糸の事。
※7 : キッドモヘア … モヘアの中でも仔やぎの柔らかい細い毛だけを使用したもの。毛足が短い。
製法
1.染め
大鍋に水を張り、染料を溶かしてからウールを入れます。
予めウールを水に浸しておくと、ムラなく染まります。
お湯が沸騰しないように気を付けながら、ウールが染料を全て吸ってお湯が透明になったら染めの完了です。
2.カード
カードとは、カード機にかけてウールの繊維を揃える作業です。アブサラクリコではこの時に混色も行います。
糸に紡ぐ前段階で混色をするので、同じ色の糸は2つとして作れないのです。
3.紡ぐ
カードしたウールを紡いで糸にします。
手作業の為、紡ぐ糸には細い部分・太い部分が出来ます。
これが編む時に手紡ぎならではの味となって表れます。
4.撚り止め
紡いだ糸を枷に留め、撚り止め※8を行います。
撚り止め後脱水し、干して糸を乾燥させます。
※8 : 撚り止め(よりどめ)…お湯に浸けて、糸の撚りが戻らないようにすること。
5.巻き取り
巻き取って玉にすれば、完成です。
引き揃え
同素材または異素材同士の糸を揃えて編むことを「引き揃え」と言います。
撚り合わせないで編むので、間に空気が入ってふんわりとした仕上がりになります。
アブサラクリコでは特に、違う色の糸同士で揃えて編むことを指しています。
◆「引き揃え」の参考例紹介◆
その1:真綿ブークレ2本取り(水色1:グレー1)。
その2:真綿ブークレ2本取り(ピンク1:ベージュ1)。
その3:シルクモヘア3本取り(グレー2:グレープ1)。
その4:シルクモヘア3本取り(ブルー1:エメラルドグリーン1:チャコールグレー1)。
引き揃える色によって全く違う雰囲気の糸を作ることが出来るので、
糸紡ぎが出来ない人でも組み合わせ次第で簡単に自分だけのオリジナルの糸が作れるのです。
とても気軽に出来るので、ぜひ挑戦してみてください。
◆「引き揃え」で貴方だけの糸作ってみませんか?◆
◆素材別各種編地の紹介◆
真綿ブークレ・シルクモヘヤの各種編地の画像です。編地の風合いの違いをご確認ください。
真綿ブークレ
左から1本取り、2本取り。
シルクモヘヤ
左から1本取り、2本取り、3本取り。